〜4/21(日)「牧山 花 なつころも」箱根菜の花展示室
牧山花展、行ってきました。
今回は、10年分の制作物を展示するとあり、何とか初日に。
花さんとの出会いは、8年前。アシスタントとして、師匠の撮影&取材に同行し、湯河原のアトリエへ伺った時でした。
アシスタント時代は、撮影には多く参加していたのですが、作家のものづくりの現場に伺うことは少なかったこともあり、花さんの作るものと、その創作にまつわるお話と、キャラクターも含め、その日の出来事は鮮烈な記憶として残っています。
絵画から、染織へ。染織を用いた空間表現から、着尺へ。
そして、そこからの10年。
今回の展示では、これまでの10年分の創作物が、可視化されていました。
夏物の着尺の小巻きのみ、10年分。
同じ人が作り出しているのに、全く同じものはない。
アーティストのカタログレゾネを、空間で表現しているような展示。
100%、花さんにしか、できないことです。
ぜひ、たくさんの方に見て頂きたいです。
青山 八木でお取り扱いされるようになり、八木さんのアドバイスや実際に着るお客様と接することで、着尺としてはまたさらに洗練されていき(昨年の個展は、仕事で間に合わなくなって伺えなかった、涙)、花さんの作品は進化していきました。
そして今回、これだと思える一反に巡り会えました。
小巻きをすべて見て確信が持てました。
8年待った甲斐がありました。
菜の花箱根展示室は、箱根湯本から少し歩いたところにあります。
桜はあと少しでしたが、ロマンスカーでお出かけも楽しいですよ。ぜひ。
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牧山 花・夏ころも
2019年4月6日.土―4月21日.日
Open11:00―17:00/Close10日(水).17日(水)
作家は全日在廊です。
箱根菜の花展示室
神奈川県足柄下郡箱根町湯本351-2
TEL.0460-83-8166
http://nanohana-tenjishitsu.com/
「牧山花と髙橋台一のお話し会」
テーマ「夏ころも」
4月13日(土)15時より 参加費 1,000円(お茶とお菓子つき)
牧山花さんと出会って10年近くが経った。
5年前、染の津田千枝子さんの企画の時に会って、「作品を見せて下さい。」と言ったら、3本の反物の夏ころもを持って現れた。それを見た私は、花さんの織りのもつ深さと透明感に「おそろしい。」と発言したという。覚えていないが、それからその日の深夜まで12時間も話し込んだらしい。以後、年に12本織る内の3本ずつを買い取ってきて、4年が経った。
12本の夏ころもが揃った。そして花さんの10年間の集大成として、織った反物の記録として残してきた小巻の100本で、大きな展覧会ができることになった。それが今回の企画です。
まずはじっくり見てほしい。花さんにしかできない、織りをアートに昇華させる力をもっている。
花さんから制作のコンセプトが届いた。
一本の線を引く。
心がざわざわと動き始める。
その線の存在のゆらぎを追っていったら
無数の交点が交わる布の世界に入り込んでいました。
ミニマムとも思える
たてとよこの線の交わりの中で
どれだけのゆらぎと出会い
表出させることができるか
それが、常に思い続けていることです。 牧山 花
花さんが織りを夏ころもだけに限定してきたのはなぜかも含め、
花さんの織りの根本が何であるか?
私も話しの中で深めていきたい。ということで、お話し会を企画します。
ぜひご参加下さい。
2019年3月9日 店主 たかはしたいいち。