展覧会/染織作家
正倉院の世界-皇室が守り伝えた美-
本日から11/24まで開催の、『正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-』於: 東京国立博物館、内覧会へ。
毎年、奈良博でしか公開していない、正倉院宝物。
わざわざ奈良まで観に行っていた年もあったのですが、令和元年の今年は、そんなお宝が東京へ!
1200年もの間、大切に守り伝えられてきた正倉院宝物は、日本の美術工芸品の歴史の中でも非常に重要な位置を占めています。
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染織品も多数出品されており、見どころ満載。染織を見る上で重要な知識は、天平の三纈(さんけち)。
纐纈(こうけち)- つまみ染。絞り染め。
夾纈(きょうけち)- 板締め染。二枚の板に文様を掘り、その間に布を挟んで染め上げる技法。
臈纈(ろうけち)- ろうけつ染。蝋で防染し、染める技法。
この3つのキーワードを覚えておくと、染織が分かりやすいかもしれません。
行きがけに、会場付近で、正倉院文様の帯をさらっと締めた妙齢のご婦人とすれ違い、流石…と、見惚れてしまいました。
11/6に展示替えで前後期。
着物や工芸がお好きな方は、ぜひ足を運んでみて下さい♩
美ら島からの染と織-色と文様のマジック
「美ら海からの染と織─色と文様のマジック」
於:渋谷区立松濤美術館
2019年8月10日(土)~2019年9月23日(月・祝)
*会期中展示替えがあります
A期 8/10~25
B期 8/27~9/8
C期 9/10~23
牧山 花 「夏ころも」
〜4/21(日)「牧山 花 なつころも」箱根菜の花展示室
牧山花展、行ってきました。
今回は、10年分の制作物を展示するとあり、何とか初日に。
花さんとの出会いは、8年前。アシスタントとして、師匠の撮影&取材に同行し、湯河原のアトリエへ伺った時でした。
アシスタント時代は、撮影には多く参加していたのですが、作家のものづくりの現場に伺うことは少なかったこともあり、花さんの作るものと、その創作にまつわるお話と、キャラクターも含め、その日の出来事は鮮烈な記憶として残っています。
絵画から、染織へ。染織を用いた空間表現から、着尺へ。
そして、そこからの10年。
今回の展示では、これまでの10年分の創作物が、可視化されていました。
夏物の着尺の小巻きのみ、10年分。
同じ人が作り出しているのに、全く同じものはない。
アーティストのカタログレゾネを、空間で表現しているような展示。
100%、花さんにしか、できないことです。
ぜひ、たくさんの方に見て頂きたいです。
青山 八木でお取り扱いされるようになり、八木さんのアドバイスや実際に着るお客様と接することで、着尺としてはまたさらに洗練されていき(昨年の個展は、仕事で間に合わなくなって伺えなかった、涙)、花さんの作品は進化していきました。
そして今回、これだと思える一反に巡り会えました。
小巻きをすべて見て確信が持てました。
8年待った甲斐がありました。
菜の花箱根展示室は、箱根湯本から少し歩いたところにあります。
桜はあと少しでしたが、ロマンスカーでお出かけも楽しいですよ。ぜひ。
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牧山 花・夏ころも
2019年4月6日.土―4月21日.日
Open11:00―17:00/Close10日(水).17日(水)
作家は全日在廊です。
箱根菜の花展示室
神奈川県足柄下郡箱根町湯本351-2
TEL.0460-83-8166
http://nanohana-tenjishitsu.com/
「牧山花と髙橋台一のお話し会」
テーマ「夏ころも」
4月13日(土)15時より 参加費 1,000円(お茶とお菓子つき)
牧山花さんと出会って10年近くが経った。
5年前、染の津田千枝子さんの企画の時に会って、「作品を見せて下さい。」と言ったら、3本の反物の夏ころもを持って現れた。それを見た私は、花さんの織りのもつ深さと透明感に「おそろしい。」と発言したという。覚えていないが、それからその日の深夜まで12時間も話し込んだらしい。以後、年に12本織る内の3本ずつを買い取ってきて、4年が経った。
12本の夏ころもが揃った。そして花さんの10年間の集大成として、織った反物の記録として残してきた小巻の100本で、大きな展覧会ができることになった。それが今回の企画です。
まずはじっくり見てほしい。花さんにしかできない、織りをアートに昇華させる力をもっている。
花さんから制作のコンセプトが届いた。
一本の線を引く。
心がざわざわと動き始める。
その線の存在のゆらぎを追っていったら
無数の交点が交わる布の世界に入り込んでいました。
ミニマムとも思える
たてとよこの線の交わりの中で
どれだけのゆらぎと出会い
表出させることができるか
それが、常に思い続けていることです。 牧山 花
花さんが織りを夏ころもだけに限定してきたのはなぜかも含め、
花さんの織りの根本が何であるか?
私も話しの中で深めていきたい。ということで、お話し会を企画します。
ぜひご参加下さい。
2019年3月9日 店主 たかはしたいいち。
「洛風林展-喫茶去-」
【3/21-23】「洛風林展-喫茶去-」@京都
時代を超え、魅力溢れる帯を創り続ける、工芸帯地 洛風林(らくふうりん)は、皆の憧れのブランドです。
いつかは締めてみたい…、と思われるかたも多いのではないでしょうか。
今回で2回目となる洛風林主催の展覧会のテーマは、「喫茶去(きっさこ)」。
(禅語で簡単に訳すと、「まぁお茶を一杯召し上がれ」という意味。)
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平成が終わろうとしている混沌の時代に、洛風林の帯の魅力の一つである「おおらかさ」を感じて頂くことで、皆様にゆったりと寛いで頂きたい、という、当代堀江麗子氏の願いが込められています。
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今回は、岡崎の国際交流会館和室にて、初代から新作に至るまで50点が一堂に会すとのことで、昨年とはまた違った趣きが感じられることでしょう。
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京都は、桜?がほころび始める良い季節ですね。同じく21日初日の、龍光院展 MIHOMUSEUMもおススメです。私は、今のところハシゴ予定。
琉球 -美の宝庫-
現在、サントリー美術館で開催中の「琉球ー美の宝庫ー」。紅型をはじめとする琉球の染織品や、王家のお宝が数多く展示されています。名品揃いでオススメの展覧会。
サントリー美術館はゆったり展示されていて良いですね。花鳥図も素晴らしかったですが、こちらの琉球美人図も面白かった。
身分の高い女性と低い女性の装いを両方とも見ることができます。
展示替えがありますが、9/2まで。
ゆかた浴衣YUKATA
現在島根県立石見美術館にて行われている、「ゆかた 浴衣 YUKATA -すずしさのデザイン、いまむかし」展(〜9/3)。
面白そうな展覧会だったので、可愛らしい図録を取り寄せました。遠方の展覧会なのを残念に思っていたのですが、来年東京(泉屋博古館分館)等に巡回するとのことで、とても楽しみです!
西陣絣
昨日は、「京のほんまもん講座2018」西陣絣についての講座を聴講致しました。
京都女子大学 前崎信也先生、西陣の若手女性絣職人・葛西さん等のお話をお伺いすることができ、貴重な時間でした。
西陣絣は、西陣で作られる、「織物」の一種。絣お召しなどが代表的ですが、豪華絢爛な西陣織のイメージが強く、あまり知られていないのが悩みの一つとのこと。
こちらは、ちきりに巻かれた絣糸を手に説明をする、葛西さん。絣が好きで好きでしょうがないのだそうです。西陣は、産地としてかなり細かな分業制となっており、彼女は絣糸だけを作る方。素晴らしい技術なのですが、着物以外の活かし方、後継者問題等、課題は山積みとのこと。
講座は終始、「絣愛」あふれる2時間となり、写真の通り、皆さん真剣に聞き入っていました。
どのように作られているのか、どんなものなのか、どういう風に現代の生活に取り入れられる可能性があるのか。興味のある方って、とても多いのです。
40代の葛西さんがいらっしゃらなければ、残りの職人さん達は70-80代という現状。どこもそのような状況ですが、葛西さんのような方が何とかつないでいらっしゃるものを、さらに先に繋げていかなければならないことを再認識しました。
必要なのは、知識ではなく、知恵。
憂いてるだけでは、未来は変わりません。
私も他パートを少しお手伝いしたGoogleのProject。ぜひ、西陣絣のパートもご覧下さい。
Google Arts&culture
「西陣絣」
https://artsandculture.google.com/exhibit/mAIS7eN3-TCGJw…
洛風林展@京都・日仏会館へ。
昨日レセプションが行われました、「洛風林の愛すべき世界の文様展」の様子をご紹介。
京都・日仏会館3Fにて、本日から6/3まで開催中です。
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今回は販売会ではなく、純粋な展示会。
先先代からコレクションされた、世界中の愛すべき布たちと、それらを元に現在も作られている帯が併せて展示されています。
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脈々と受け継がれる、洛風林独特の大らかで楽しげな文様は、あぁこれが元になっていたんだ、といちいち感激してしまいます。
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私も初めて伺いましたが、日仏会館のクラシックでどこか優しげな空間と展示がマッチして、着物&洛風林ファン必見の会となっております。
京都はふらっと日帰りも気軽にできる距離。
週末お時間のある方は、ぜひお運び下さいませ。
洛風林の愛すべき世界の文様展
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「洛風林の愛すべき世界の文様展」
2018.6/1(金)、6/2(土),6/3(日)
11:00-18:00 (最終日は16:00まで)
アンスティチュ関西ー京都3F
京都市左京区吉田泉殿町8
工芸帯地 洛風林 075-231-6536
いつもとても素敵な帯を発表されている洛風林さんが、世界各国から集められた資料や作品を展示する展覧会をなさいます。
今回のように販売会ではなく展覧会を開催するのは初めての試みとのこと。
あのワクワクするような帯の文様はどこから来ているのだろう?そんな発見がある会になりそうです。
私は、5/31-6/1 で京都へ行く予定。
滅多にない機会、ぜひお運びくださいませ。
柚木沙弥郎の染色 もようと色彩
大好きんな柚木さんの展覧会がリリースされました。楽しみです。
「柚木沙弥郎の染色 もようと色彩」
於:日本民藝館
2018年4月3日(火)~6月24日(日)
柳宗悦の思想と芹沢銈介作品に啓発され染色家となった柚木沙弥郎(ゆのきさみろう/1922― )は、制作のほか、後進の育成にも力を注いできました。近年はフランス国立ギメ東洋美術館など国内外で展覧会を開催、今なお旺盛な創作を続けています。工芸において模様を作る力がますます脆弱化する現代、柚木が生み出す模様と色彩は、私たちの渇きを荒原に湧いた泉のように潤してくれます。