先日、ちょっと遊んだ振り袖のコーディネートと着付けを目にする機会がありました。
縮緬の黒振り袖に、衿もとからアンティークの豪華な半衿を大きくのぞかせて、深紅の帯揚げと扱きを巻き付け、足元からも深紅の蹴出しがちらり。
鏑木清方の美人画から抜け出てきたような、とでもいいましょうか。
現代のきもの姿からするとアンバランスなのですが、どことなく品があり、美しかった。
「くずしの美学」とはいうものの、美しいくずし、はとてつもなく難しいもので、近年はほとんど目にする機会がありません。
しかし、浮世絵や美人画の姿を踏まえた、その着姿は美しく、着ている人がふわっと動くと、その後を追いかけるように、着ているものもゆらゆらっとついていく。
その様に、その動きに、目を奪われました。
いま、キレイ、可愛い、と思っているきもの姿って、何だろう、と。改めて、考え直してみたいと思います。