;
そもそもポスターが、かなり可愛いです。これだけで、女性陣は行きたくなりますね。
カンタとは、ベンガル地方で作られた刺子のこと。着古したサリーなどを数枚重ねたものに、女性達がひと針ひと針、愛らしい刺繍をします。一方、日本の刺子といえば、東北地方において発展し、津軽こぎん、南部菱刺などが、代表的です。津軽こぎんは、藍で染めた麻布に白の木綿糸で刺繍をしたもので、長い冬を雪に閉ざされる暮らしの、女性達の楽しみであり、慰めであり、高価な木綿布を手に入れられなかった人々の、麻布を暖かく丈夫に活かす知恵でもあるのです。カンタも刺子も、経済的な理由から、機能的に充分でない布を、手しごとによって再生し、刺繍によって可愛らしくする。人々が、つつましい生活の中でも、どのように衣服や布と向き合っていたかを、わずかながら垣間みることが出来ます。
岩立フォークテキスタイルミュージアムのカンタコレクションと、民藝館所蔵の刺子が、一堂に会するこの展覧会。国を越え、時代を超えて、女性達の暮らしに根付いた、温かな針仕事に会いに、ぜひ訪れてみて下さい。
「カンタと刺子 -ベンガル地方と東北地方の針仕事-」
2014年9月9日(火)〜11月24日(月・祝)
日本民藝館
(同時開催)
岩立フォークテキスタイルミュージアム
目黒区自由ヶ丘1-25-13 岩立ビル3F
03-3718-2461