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宮古島の中心部にある、宮古上布の織物組合にお伺いしました。
宮古上布とは、苧麻を糸績みして生まれた貴重な糸に絣を括り、琉球藍で藍染めをした後、織り、砧打ちをした、つややかな夏のきものです。現在は、年間20反ほどしか織られていない貴重な織物で、きものファンの間では、憧れの薄物として知られています。
その中心を担っている組合で、見学をさせて頂きました。
泡盛と黒糖を使って建てられた藍の部屋には、いくつもの樽が並び、ゆっくりと藍がかき混ぜられていました。部屋の外まで、つんと藍の香りが漂い、真っ青に染まった糸が、くるくると竿に巻き付けられて、干されています。何度も何度も染めることで、ようやく深い藍色の糸が生まれるのです。
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見学した機場では、ちょうど十字絣が織られているところでした。
経糸にも緯糸にも細かな絣が施され、しゅっと杼を通して織られる度、緻密に絣が合わせられていきます。
ほんとうに、気の遠くなる作業。高価な織物である事も、うなずけます。
宮古島には、宮古上布以外にも、さまざまな織物が存在し、あまり知られていないものもあります。もっと、たくさんの方々に、宮古の織物を知って頂きたいと思いました。