きものスタイリング

5月だというのに、ピーカンの夏日。まさに、SKYな青山のスタジオで…

山口小夜子 未来を着る人

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;着物 スタジオ撮影
5月だというのに、ピーカンの夏日。
まさに、SKYな青山のスタジオで、きもの撮影でした。
撮影後に、『山口小夜子 未来を着る人』を観に、東京都現代美術館へ。

 

;山口小夜子 未来を着る人
山口小夜子、という存在は、何だったのか。それを十二分に示した、素晴らしい展覧会でした。

見終わってからも、頭の片隅は、その存在について考え続けていて、「時代の先端を走り続けた、山口小夜子の文化的遺伝子を未来へつなぐ」という展覧会の企画意図を、まさに体感することができたようです。

70年代初頭に山本寛斎のコレクションでデビューして以来、アジア人初のトップモデルとして、世界を舞台に活躍した、山口小夜子。寺山修司の芝居や舞踏の山海塾、勅使河原三郎とのパフォーマンス、舞台の衣裳デザイン等を通じ、モデルの枠にとどまらない、唯一無二の表現者として、他界した後も、今なお特異な存在であり続けています。

きものに関して言えば、江木良彦さんが手がけた資生堂のコマーシャル、京都丸紅のオリジナルブランド『そしてゆめ』が代表的です。当時の広告や写真からは、面白いものを面白がり、前衛的なものを受け入れ、新しいイメージを追い求める、この時代の息づかいが伝わってくるようでした。

晩年は、「ウェアリスト」と名乗り、その生涯を通じて、「着る」ことを追求し続けた、山口小夜子。ファッション、身体性、日本的美意識、クリエイティビティ、全てにおいて、普遍性と新しさを未来に伝える、類い希なアイコンから得た刺激を、愛おしく感じています。

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