ー 三次元である身体を、二次元の布でいかにして包むか。ここには身体の動きが変数として含まれる。ー (図録より)
三宅一生のデザインする衣服は、つねに「身体性」について考えさせる。
一枚の布が、着ることではじめて衣服として完成されるデザイン。
主役は常に身体そのもの。
衣服は、第二の皮膚。
着ることで、身体が自由になり、そして大胆なデザインは驚くほど動きやすい。
それを可能にしているのは、独自に開発された、優れた素材たち。
とくに、臈纈染めの一枚には釘付けだった。
1枚の布を、着付けることで、衣服として完成させるのは、着物と同じ。
素材を大切にしているのも、同じ。
しかも、動きやすく、衣服として超越しているが故に、世界中で愛されている。
このような優れた衣服が存在するならは、それでも現代に着物を着る意味は何だろう。
素晴らしい展覧会でした。