本
『着物が着たくなったなら』
『きものが着たくなったなら』
技術評論社
2019年4月
山崎陽子 著
著者の山崎陽子さんとの出会いは、2014年に雑誌『エクラ』のお仕事でした。
着始めたばかりなの、と仰るそのお姿は、とてもお洒落で自然。
素敵なコーディネートもさることながら、年下の私にも真摯に着物について質問して下さる、そのお人柄にも感動しました。
その後何度かご一緒させて頂きましたが、毎回感動は薄れることなく、むしろ増していき、今でも、いつかこんな人になりたい、という人生の目標の一人です。
着物の場合は、生き方や人柄は、洋服よりも表に現れやすい、ということがあります。
私は嫌というほどそれを見てきたので、どちらかというと、その恐ろしさに目が行ってしまうことも、しばし…。
でも、山崎さんはいつもその良い側面を見せて下さる。
肩肘張ることなく、でもより良くご自分のスタイルを、お洒落を、楽しんで追及していらっしゃる。
著書を拝読して、とても幸せな気持ちになりました。
ファッションを知り尽くした著者が、5年間たくさん着物を着て考えたこと、思ったことが、素敵な写真と文章で綴られたオススメの一冊です。
ぜひお手にとってご覧下さいませ。
女優 山田五十鈴
高知にある「ごふく美馬」という呉服店の店主である美馬勇作氏が、日本を代表する大女優・山田五十鈴さんのお仕事をまとめた書籍を出版した、というご案内を拝見した時から、ずっと頭の片隅で気になっていた。
『美馬ごのみ』のお着物に憧れを頂いていた私は、なかなかご連絡の一歩を踏み出せずにいたが、ひょんなところから一冊譲り受け、後日美馬様にも御目文字叶った。
私のような者がコメントするのはおこがましいが、素晴らしい書籍のご紹介を少しだけ。
全413ページ。五十鈴氏が演じた役柄がほぼ全て揃えられた貴重な図版は、様々な役どころ、衣装や着物の着付けの違いを拝見するだけでも楽しく、大変見応えがある。昭和の名舞台・映像の数々を、一人の女優を通して見る面白さが際立っている。
中でも私が魅了されたのは、「五十鈴を語る五十人」と題した後半のインタビューである。
大御所歌舞伎役者から料理番まで、そうそうたるメンバーに、美馬氏自らが聞き手となって、五十鈴氏にまつわる貴重なエピソードを掘り起こしている。当時を彷彿とさせる、関係者の生の声には、誰かがこのように桁違いの情熱を持ってまとめなければ、決して触れることができなかったであろう。
山田先生は、独特の色気があり、優しい真心の人で、何とも可愛らしく偉ぶらない。それでいて、生来の資質に加え、常に芸を磨き続けた、スケールの大きい本物の役者であったと、皆が口を揃える。共演を、舞台を通して、芸はもちろんのこと、生き様や遊び方までもが、自然と伝わり受け継がれていく様子も好ましい。
また、あと書きがたまらない。大女優・山田五十鈴に魅了された、一人の少年の話である。本物の情熱は、必ずや相手に届く。そして、美馬氏が人生をかけてまとめられた本書は、また後世の誰かを突き動かすに違いないと確信している。
購入をご希望の方は、「ごふく美馬」まで。限定部数のため、お早めにどうぞ。
森田空美の「はじめてきもの きほん事典」
『森田空美の はじめてきもの きほん事典』が、世界文化社より2/23に発売予定です。
早速、amazonにて予約しました!
『着物の事典』
着物をはじめる時に、どんな本を読んだら良いですか?とよく聞かれます。
もし、どうしても一冊だけ、ということであれば、大久保信子さんが監修されている、『着物の事典』をオススメします。
着物の本は、種類や格や歴史などの知識のこと、着付けやヘアメイク、コーディネートなどの実践的なこと、浴衣や帯結びなどテーマに沿ったものなど、種々様々ですが、要素が多いため、それらを一冊に分かりやすくまとめるのは、なかなか難しいことです。
もっと初心者向けに特化した本もあるのですが、なかなかこれといった本がありません。その中でも、ぎっしり中身が濃く詰まっていて少々ヘビー級、どちらかというと中級者向けではありますが、一冊で着付け以外の大体がカバーできる、という意味で非常にバランスの良い優れた本です。
これはどうだったかしら?とふと疑問に思った時に、目次を見ながら読んでみると、非常に分かりやすく解説されています。
着てみる前から知識が先行し過ぎると楽しくなくなりますが、ある程度着られるようになったら、手に取ってみると良い本かもしれません。
伝統を知り、今様に着る
「着物の事典」
大久保 信子 監修
池田書店
2011.4
『着物の悦び』
名著だと思う。
久しぶりに引っ張り出して読んでみると、面白くて止まらなかった。この人は、やはり思考がとてつもなく優れている。
初心者のちょっとした経験談をさらさら書いているようでいて、その内容は実に普遍的。
こちらが何年もかけて考え出した、初心者に伝えるためのコツなど、実にさりげなく登場する。
また、ぜひ着物について書いて頂きたいなぁと思います。読み直しは、自分の変化をも感じられるから、楽しい。
「着物の悦び」
林 真理子
1996.11
『毎日、きもの』河村公美
『毎日、きもの』
河村公美 著
講談社
2017.4.14刊
美しいキモノで連載中の、河村公美さんの書籍がもうすぐ発売になります。
ご本人は、普段からとっても素敵にご自分で着ていらっしゃるのですが、撮影協力でお手伝い致しました。
センスの良い着物を、都会でさらっと着こなす。憧れですね。思いの詰まった一冊、ぜひお手にとってご覧下さいませ。
本日(3/3)発売 「着物&ゆかたのヘアアレンジ」
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本日、「着物&ゆかたのヘアアレンジ」発売です。
どうぞよろしくお願い致します!
発売記念として、4/1(土)ヘア講座&お花見会も開催いたします。
追って、情報をUPします。
「着物&ゆかたのヘアアレンジ」予約開始!
3/3発売
「着物&ゆかたのヘアアレンジ」
監修 森 由香利
主婦の友社
無事、校了となりました!
amazon&全国の書店で、予約受付中です。
どうぞよろしくお願い致します。
一葉のきもの
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昨日は、二兎社『書く女』@世田谷パブリックシアター、初日のお芝居を観劇しました。
短い生涯のなかで、物書きとして上り詰めた樋口一葉の生涯を描いた本作品は、2006年寺島しのぶ主演で初演された際に、演劇賞をさらった人気作。
ピアノ生演奏のLive感と共に、丁寧に作り込まれた正統派のお芝居に引きずり込まれ、あっという間の3時間。主演は、超実力派女優として人気を博す、黒木華さん。
樋口一葉は、もう彼女しか考えられない、と思うほどにぴたりとはまり、物書きを志す萩の舎時代の初々しさから、若くして病に倒れる晩年の凄みまでを、見事に演じ分けられていて、ひどく舞台が小さく感じられるほどに、魅力とエネルギーに溢れていました。
お芝居の衣装は、一葉が生きた明治の装い。
明治の装いといえば、まっさきにイメージするのは、凝った刺繍衿をたっぷりと出した華やかさ。女学生や活動家は、ブーツに袴で闊歩した時代でもありました。
しかし、士族の生まれながら、生活の困窮に苦しんだ一葉は、終始、縞のきものに、地味な色合いの昼夜帯。妹くにと共に、晴れ着を質に入れるシーンが繰り返し登場します。そして、その鬱憤を晴らすかのように、一葉の小説のなかには、吉原近くの市井の風俗を取り入れた、リアルで活き活きとした装いの美しい人々が数多く登場するのです。
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そんな一葉の時代のきもの、さらに、「たけくらべ」「にごりえ」「十三夜」など、一葉の描いた小説のなかに登場する女たちのきものについて、とてもよく描かれているのが、『一葉のきもの』。実際の写真や、鏑木清方や水野年方の画を交えて、この時代の生活風俗を紐解きながら、明治時代のきものについて、非常に理解の深まる一冊となっています。
『一葉のきもの』
近藤富枝・森まゆみ著
2005.9
河出書房新社
森田空美のシンプル華着付け
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浴衣から振袖まで、変わり結びに注目したテキスト。
シンプルながら、華やかさの楽しい、変わり結びが数多く登場します。
成人式を控えたこの季節、変わり結びに注目です。
『森田空美のシンプル華着付け』
森田空美
世界文化社
2015.12