芸者
おそめ
『夜の蝶』のモデルにもなったといわれる、伝説の銀座マダム、「おそめ」のめくるめく半生を描いた、一冊。
作品の冒頭で、書き手が、晩年のおそめさんに出会うシーンが好きだ。初めて、その人に会った瞬間を描く筆致は、すこぶる鮮やかで、読む者の心をとらえて離さない。
その柔らかなきもの姿、そして、その透明な佇まい。
美しく、臈たけた、その老女の姿は、きもの好きの心を大いにくすぐる。
一度でいいから、私もお目にかかってみたかった。
『おそめ-伝説の銀座マダム-』
石井妙子
新潮文庫
2009年3月
『芸者論』
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東をどりを観て、芸者さんに興味を持ったなら、ぜひ読んで頂きたいのが、岩下尚史著 『芸者論』。
今や、特徴的なキャラクターでブレイクし、「ハコちゃん」の愛称で親しまれる、岩下氏ですが、実はれっきとした文筆家。
長きに渡って、新橋演舞場や東をどりの運営に携わり、花柳界の調査研究に務めた、著者ならではの芸者論となっており、上品な装丁と共に、大好きな一冊です。
『芸者論』
岩下尚史
雄山閣
2006年
東をどりウォッチと、本店浜作。
今年は、初めて、「東をどり」に行って参りました。
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晴れ姿の、新橋の芸者衆が、磨きに磨いた芸を披露して下さるのも、とても楽しみですが、
さらなる楽しみは、お客樣方の「きものウォッチ」。
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通の方々は、圧倒的に、季節の柄の塩瀬の染め帯か、季節の柄のおきもの。
中でも圧倒的に多かったのは、杜若に藤の帯。杜若のお着物。貝や波の柄もちらほら。
紗袷の方も!演目なども考えてのことだと思います。
それ以外は、やはりお目出度い柄!松や源氏香、祝い扇などなど。
千秋楽ということもあって、皆様、華やか〜。
楽しい、きものウォッチでした。
東をどりの後は、ご縁合あって、「本店浜作」へ。
銀座七丁目にある、言わずと知れた名店ですが、私は初めて。
まったく知らなかったのですが、一品料理屋さん、とのこと。
なんと、昼も夜も同じスタイル!
おまかせもできますが、季節の好きなものを、カウンターでちょっとずつお願いできるのが、とっても魅力です。
ひとりでさらっと、いらっしゃっている、粋な女性や、外国人のお客様も。
気取らず、くだけ過ぎず、銀座ならでは、でも銀座とは思えない、気取らなさで、とても居心地のよい空間でした。
特筆すべきは、90代という大女将!
しゃきしゃきと、おきもの姿で動いていらっしゃり、素敵でした。
また、伺いたいです。
「本店浜作」
中央区銀座7-7-4
03-3571-2031
11:30-13:30 17:00-21:30
日・祝定休
地下鉄銀座駅A2出口徒歩3分、JR新橋駅徒歩5分
本日より、東をどり。
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新橋芸者の技術向上を兼ね、新橋演舞場のこけら落としで始まった、東をどり。
新橋花柳界最大の行事であり、普段、目にすることのできない芸者衆のお披露目の場でもある、このイベントですが、今年は、90回の記念の年を迎えます。
かつては、女性たちのファッションリーダーでもあった、芸者衆。中でも新橋は、超一流どころで、あった訳ですから、お姐さんたちの晴れ姿。きもの好きは、楽しめること、間違い無しですね。
「第90回記念講演 東をどり」
平成26年5月24日(土)〜27日(火)
第一部 11:30-13:00
第二部 13:40-15:10
第三部 15:50-17:20
新橋演舞場